ドイツ Deutschland (ドイツ語)、ジャーマニー Germany (英語)、アルマーニュ Allemague (フランス語)
…「テュートン(「民衆」)人の国」。
cf. ドイツ語名のドイッチュ Deutsch は、テュートン人から。テュートン人 Teuton は、
インド=ヨーロッパ祖語のテウタ teuta 「民衆、同胞」に由来するラテン語のテウト
ニ teutoni が語源。高地ドイツ語のディウティスク diutisk を経てドイッチュに。
land は「国、土地」。
テュートン人とはゲルマン人の一部族名で、広義にはドイツ人とスカンディナヴィ
ア半島の人々とイギリス人の、狭義にはドイツ語派の言語を話す人々(その中の特に
ドイツ人)の呼称。
英語名のジャーマニー Germany は、古代ローマの属州名ゲルマニア Germania 「ゲ
ルマン人の土地」にちなみ、ゲルマン German は諸説あり。例えばインド=ヨーロ
ッパ祖語のゲル ger 「貪欲な」と マン man 「人」で「貪欲な人」、エル er 「大き
な」とマナ mana 「人」で「大きな人」、ゲル ger 「沼」とマン man 「人」で「沼
の人」。さらには、インド=ヨーロッパ祖語の gar 「叫び声(のガー?)」がケルト
語を経て「(騒がしく)叫ぶ人」とするものもある。これだとギリシア人が異民族を
バルバロイ Barbaroi 「聞き苦しい言葉を喋る人々(ギリシア語を話さない者)」と呼
んだことと重なる。
フランス語名のアルマーニュ Allemague はローヌ川上流のフランス中西部やスイ
ス方面に住んだゲルマン人の一部族「アラマン人の土地」を意味し、それ以西のドイ
ツ人の総称となったことに由来。アラマン人 Alaman は「異人、外人」の意味か?
英語のエイリアン alien 「外国人」やエイリアス alias 「別名、偽名」に重なるが?